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翻訳書『社会実装のための73 の実装戦略:専門家が推奨する変化実現の戦略―ERIC―』

翻訳書『社会実装のための73 の実装戦略:専門家が推奨する変化実現の戦略―ERIC―』を発行しました。

2025年6月30日
保健医療福祉における普及と実装科学研究会(RADISH)

 保健医療福祉における普及と実装科学研究会(RADISH)は、この度、翻訳書『社会実装のための73 の実装戦略:専門家が推奨する変化実現の戦略―ERIC―』を発行し、公開しました。
本サイトの下部よりPDFファイルをダウンロードいただけます)

 ERIC(エリック)は、Expert Recommendations for Implementing Changeの頭文字を取ったもので、Powellらによって2015年に発表されました。エビデンスに基づく介入やイノベーションを社会実装するために関係者の行動変容を促す戦略、すなわち実装戦略が9カテゴリー73戦略に整理されています。実装科学が目指すのは実装戦略に関する知識体系の構築であり、「共通言語」としてその分類を示したERICは極めて重要な意味をもちます。そのためERICは、これまでヘルスケア分野における数多くの実装研究において、効果ある戦略の特定や構築のためのツールとして使用されてきました。

 この翻訳は、Implementation Science誌に発表された、ERIC の開発と体系化に関わる2つの論文(Powellら, 2015;Waltzら, 2015)を基盤にしており、73戦略それぞれの戦略名、説明、および補足説明から構成されています。ERICの全体像を理解することで、実装研究の射程範囲を把握することができます。また補足説明を読むことで、その戦略を効果的に実施するためのヒントが得られます。

 わが国では現在、「健康日本21(第三次)」をはじめとして、実効性ある保健事業の推進が強く求められています。またヘルスケア分野のみならずさまざまな分野において「社会実装」の重要性が謳われています。本書がそうした実装の研究や実践に携わる多くの皆さまの参考になれば幸いです。なお本書はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY 4.0)による無償公開です。


 【文献名】【PDFダウンロード】
今村晴彦、島津太一(監訳)、『社会実装のための73 の実装戦略:専門家が推奨する変化実現の戦略―ERIC―』、保健医療福祉における普及と実装科学研究会、2025 [ISBN:978-4-9911886-3-3] ※紙の書籍は販売していません。

 本書の翻訳および編集は、国立高度専門医療研究センター 医療研究連携推進本部 横断的事業推進費「実装科学推進基盤構築支援事業」(JH-事業02)(総括責任者 島津太一[2024年度~]、内富庸介[2022~2023年度])、横断的研究推進費「実装科学推進のための基盤構築事業」(2019-(1)-4)(主任研究者 内富庸介[2019~2021年度])による、健康格差是正のための実装科学ナショナルセンターコンソーシアム(N-EQUITY, National Center Consortium in Implementation Science for Health Equity)の依頼を受けて、RADISHにより行われました。また翻訳および編集にあたりJSPS科研費19K11258(研究代表者:今村晴彦)の助成を受けました。