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代表世話人挨拶

 2023年7月に、RADISHの代表世話人を引き継がせていただきましたので、一言ご挨拶を申し上げます。

 実装科学は、エビデンスに基づく介入(EBI: evidence-based intervention)を「どのように」現場に効率よく根付かせるかという問いに答えるために、北米、オーストラリア、英国等で2000年頃より発展してきた学問分野です。保健医療福祉における普及と実装科学研究会(RADISH: Research Association for Dissemination and Implementation Science in Health)は、2018年11月に開催された第1回学術集会において発足し、学術集会の開催、翻訳書の発行などを通じて実装科学の方法論を用いた研究推進のための活動を行ってきました。

 日本国内ではEBIの社会実装を目指し、各専門分野における研究や学会活動がそれぞれ行われています。そのような中で、実装科学の研究会に参加する意義を考えてみたいと思います。実装科学の基本的な考え方として、EBIの実装には、① 患者・市民、保健医療従事者、組織、政策などマルチレベルの文脈の理解が重要、② エビデンスが存在するだけでは不十分、③ 変化を起こすには積極的な働きかけが必要、④ 実践家と研究者はチームとして取り組む、があげられています(J Clin Transl Sci. 2021;5(1):e151)。このような考え方に賛同し、各専門分野での研究や実践活動を進めて行きたい方は、RADISHの活動に参加することで有益な視点や情報、スキルを得ることができます。また、学術集会等で、さまざまな分野の研究・実践の報告を分野横断的な実装科学の言葉で整理した発表を共有することにより、日本国内外の社会実装の推進のための知見の蓄積に貢献できます。

 研究や研究成果の実践を通じて、すべての人々の健康と豊かな社会の構築に寄与したいとお考えのみなさまが、連携・協働できる場として、RADISHを一緒に創っていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

保健医療福祉における普及と実装科学研究会 RADISH

代表世話人 島津 太一

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